樹木葬とは?種類・費用・選び方を徹底解説【終活を考える60代へ】

終活・お墓

「お墓のことを、そろそろ真剣に考えておきたい」と思い始めている60代の方は多いのではないでしょうか。

従来の墓石を建てるお墓のほかに、近年「樹木葬」という選択肢が広く知られるようになりました。「自然に還りたい」「子どもたちに負担をかけたくない」「費用を抑えたい」という気持ちから、関心を持つ方が増えています。

しかしインターネットで調べると情報が多すぎて、何が自分に合っているのかわからなくなることもあります。この記事では、樹木葬の基本から費用・選び方の注意点まで、できるだけわかりやすくまとめました。


樹木葬とは何か?基本から理解する

樹木葬とは、墓石の代わりに樹木や花を墓標(シンボル)として、その根元などに遺骨を埋葬するお墓のことです。

日本では1999年に岩手県の祥雲寺が初めて認可を受けた樹木葬を始め、それ以来全国に広がってきました。当初は山林に木を植えるスタイルが中心でしたが、現在では公園のように整備された都市型の樹木葬霊園も増えており、都心部でも選べるようになっています。

樹木葬が注目される主な理由は次のとおりです。

  • 墓石を建てるよりも費用が抑えられることが多い
  • 後継者(お墓を継ぐ人)がいなくても利用できる
  • 「永代供養」がセットになっているものが多く、霊園が管理・供養してくれる
  • 自然の中に眠りたいという希望に応えられる
  • 家族への負担が少ない

樹木葬の4つの種類

樹木葬にはいくつかの形式があります。場所・環境・費用・雰囲気が大きく異なるため、どのタイプが自分に合っているかを考えることが大切です。

① 里山型(山林型)

自然の山林のなかに木を植え、その根元などに遺骨を埋葬するタイプです。樹木葬のなかで最も「自然に還る」というイメージに近い形です。

緑豊かな山の中で眠れる点が魅力ですが、山の中にあるため交通アクセスが不便な場合があります。「足腰が弱ってからのお参りが大変」という声もあるため、遺族がお参りしやすいかどうかも考えておくとよいでしょう。

費用の目安:10万〜30万円前後(個別埋葬の場合)

② 公園型(ガーデン型)

公園のように整備された庭園に、花や木を植えて埋葬するタイプです。四季の花が楽しめる美しい環境のところも多く、お参りがしやすいことから最も人気の高い形式のひとつです。

都市部にも多く、交通アクセスがよい霊園も増えています。見た目が公園に近いため、「お墓」という印象が少なく、明るい雰囲気でお参りできることを好む方も多くいます。

費用の目安:15万〜80万円前後(立地・区画の広さにより大きく異なる)

③ 納骨堂型(屋内型)

屋外の樹木葬ではなく、建物の中(屋内施設)に樹木や花をあしらったスペースが設けられているタイプです。天候に関係なくお参りができ、掃除・管理の手間がほとんどかからない点が特徴です。

都市部のビル内に設置されているものも多く、駅から近い便利な立地にあることも多いです。

費用の目安:20万〜100万円前後(立地によって幅が大きい)

④ 個別型と合祀型の違い(どのタイプにも関係する)

樹木葬では、「個別型」と「合祀型」という2つの埋葬方式があります。

個別型:一人または家族単位で区画を持ち、一定期間(13年・17年・33年など)は個別のスペースに納骨されます。期間が過ぎると合祀されることが多いです。

合祀型:最初から他の方の遺骨と一緒に埋葬されます。費用は最も安く抑えられますが、後から遺骨を取り出すことはできません。


費用の目安と内訳

樹木葬の費用は、埋葬する場所・霊園の立地・個別か合祀かによって大きく異なります。

タイプ費用の目安
里山型・個別10万〜30万円
公園型・個別15万〜80万円
屋内型・個別20万〜100万円
合祀型(どのタイプでも)5万〜20万円

これに加えて、年間管理費がかかる霊園もあります(年間5,000円〜2万円程度)。ただし、永代供養型の樹木葬の場合、年間管理費がかからないものも多くあります。

従来の墓石を建てるお墓(墓地代+墓石代で100万〜300万円以上かかることも)と比べると、樹木葬は費用を大きく抑えられるケースがほとんどです。


樹木葬を選ぶときに知っておきたい注意点

注意点① 改葬(引っ越し)が難しい場合がある

合祀型の場合、いちど埋葬すると他の方の遺骨と混ざるため、後から取り出して別の場所に移すこと(改葬)ができなくなります。個別型であれば一定期間内は取り出せる場合もありますが、霊園によって条件が異なります。

「やっぱり別の場所にしたい」「家族のお墓と一緒にしたい」という可能性が少しでもあるなら、合祀型を選ぶ際は慎重に判断しましょう。

注意点② 家族の意向を事前に確認する

「自分はいいと思っても、家族が違和感を持つことがある」という声は少なくありません。

特に、従来の墓石のお墓に慣れている配偶者や子どもの世代にとっては、樹木葬が「寂しい」「ちゃんとお参りできないのでは」と感じられることもあります。

終活の一環としてお墓の話をするのは難しいと感じる方も多いですが、元気なうちに家族で話し合っておくことが、後々のトラブルを防ぐことにつながります。

注意点③ 宗教・宗派の制限がある場合がある

樹木葬霊園のなかには、特定の宗教・宗派の方のみを受け入れているところや、逆に宗教不問のところなど、条件がさまざまです。

菩提寺(先祖代々お世話になっているお寺)がある場合は、そちらのお墓との関係についても事前に確認しておくとよいでしょう。

注意点④ 見学してから決める

資料やウェブサイトだけで判断するのではなく、実際に霊園に足を運んで雰囲気を確かめることをおすすめします。

「写真では綺麗に見えたのに、実際は管理が行き届いていなかった」という話もあります。見学は無料で受け付けているところがほとんどですので、気になる霊園があれば見学を申し込んでみましょう。


樹木葬を選ぶときのチェックリスト

霊園を比べるときに確認しておきたいポイントをまとめました。

  • 交通アクセスは家族がお参りしやすいか
  • 個別型か合祀型か、埋葬の形式は希望に合っているか
  • 管理・供養は誰が行うのか(霊園か・お寺かなど)
  • 年間管理費はかかるか
  • 改葬(別の場所への移転)はできるか
  • 宗教・宗派の制限はあるか
  • 見学はできるか

樹木葬と他の供養方法との比較

樹木葬以外にも、近年は多様なお墓・供養の選択肢があります。

供養の種類費用目安特徴
一般墓(墓石)100万〜300万円以上先祖代々継いでいくお墓。後継者が必要
樹木葬5万〜100万円自然葬。後継者不要。種類が豊富
納骨堂30万〜150万円屋内施設。天候に関係なくお参りできる
永代供養墓10万〜50万円霊園が管理・供養。後継者不要
散骨5万〜30万円海・山などに遺骨を撒く。許可や規制がある

まとめ:まずは資料請求で情報を集めることから

お墓のことは「縁起でもない」と避けてきた方も多いと思いますが、60代のうちに選択肢を知っておくことは、自分にとっても家族にとっても大きな安心につながります。

樹木葬に興味を持ったら、まず複数の霊園の資料を取り寄せて比べてみましょう。資料請求は無料でできるところがほとんどです。「まだ決めるわけではない」という段階での問い合わせで構いません。

「どんな選択肢があるのかを知っておく」それだけで、終活の大きな一歩になります。


※費用・サービス内容は霊園によって異なります。最新情報は各霊園にお問い合わせください。本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の霊園・サービスを推奨するものではありません。

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